「なんでもいい」――。この記事では、ビジネスの現場で起きるこの現象の裏にある「OSのバグ」を、アーキテクトの視点で解剖します。
よくある場面
ある日の夕方、夕飯の買い出しをしようとパートナーに聞きました。
「今日のご飯どうする?」
すると相手はこう答えます。
「なんでもいい」「任せるよ」
それを聞いて、自分は「意思決定を任された」と認識します。
だって「任せる」と言ったから。
そこでこう提案します。
「じゃあ、自分が食べたいハンバーグでいい?」
すると相手は顔を曇らせて答えるのです。
「えー、ハンバーグはちょっと……」
ビジネスの現場で起きていること
ビジネスの現場でも、これと全く同じことが起きています。
「新しいプロジェクト、どう進めましょうか?」
「どんなシステムが欲しいですか?」
相手に自由な意見を求めてオープンクエスチョン(Yes/Noで答えられない質問)を投げると、「任せる」「とりあえず使いやすくして」と白紙の回答が返ってくる。
しかし、いざこちらが設計して持っていくと、
「そうじゃない」
「もっとこうしてほしかった」
と後出しで無限の文句(バグ報告)が飛んでくる現象です。
なぜ起きるのか ― バグの構造
なぜ、彼らはオープンクエスチョンに対して意図した答えを返せないのでしょうか?
アーキテクト(システム設計者)の視点から解析すると、彼らが「白紙の質問」でフリーズする原因は、以下の3つのパターンに分類されます。
① 本当に意思がない(Empty)
これは文字通りの「なんでもいい」です。
この場合、こちらが何を提案してもそのまま通るため、案を考えるコストはかかりますが、エラーは起きないため最も楽な状態です。
② 自分の答えが「正しいか」分からない(Error Fear)
自分の意思を伝えてくれればいいだけの場面なのに、「正しい答え(正解)」が存在すると勘違いしているパターンです。
彼ら(QA的思考の持ち主)は、テストでバツをつけられることを極端に恐れます。
「自分が食べたいと言ったものが、相手の気分と違ったらどうしよう」
「的外れな要件を言って笑われたらどうしよう」
という恐怖から、意思表示の処理を放棄し、「あなたが正解を言ってくれた方が楽」という待機状態に陥っています。
③ 意思はあるが、言語化のコストが高すぎる(Hidden Requirement)
これが最も厄介な「察してちゃん・察してくん」のバグです。
頭の中には
「昨日は肉だったから今日はさっぱりしたものがいい」
「でも魚を焼くのは面倒」
といったフワッとした要件(意思)があるのですが、それをゼロから論理立てて言語化するCPU能力が足りていません。
結果として、「自分のモヤモヤした意思を、あなたが推測して、完璧な言語化をして提案してよ」という、とんでもなく重たい処理をこちらに丸投げしてきている状態です。
では、どうすればいいのか?
では、この厄介な②や③の相手に対して、「どうしたい?」という白紙の質問を投げずに、彼らの奥底にある本当の要件(意思)を引き出すにはどうすればいいのでしょうか?
解決策(How)はnoteで公開中
ここから先の具体的な解決策・コマンドは、noteの記事「アーキテクトの過去問」として公開しています。
このテーマを深めるおすすめの本
『問いのデザイン』(安斎勇樹・塩瀬隆之)
相手が答えやすく、本音が出てくる「問い」の設計方法を体系的に学べる。
※本記事は、noteで公開した「「なんでもいい」と言ったのに文句を言う人たち。オープンクエスチョンが引き起こす3つのバグ」の無料部分をブログ向けに再構成したものです。


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