「こいつ本当に〇〇出身かよ」――。この記事では、ビジネスの現場で起きるこの現象の裏にある「OSのバグ」を、アーキテクトの視点で解剖します。
よくある場面
先日、とある会食の場で、私がこれまで経験してきた「製造業(大企業)」と現在の「コンサルティング」の違いについて、ある例え話をしました。
「ビジネスというスポーツは同じでも、野球とサッカーくらい競技が違うんです」
製造業という野球の環境で身につけたスキルは、コンサルというサッカーの環境では評価されません。
ピッチで150km/hの剛速球を投げてもハンド(反則)になるだけです。
しかし、地力(スポーツができるか)という点では一定程度の評価はされるはずです。
本来であれば、野球だろうがサッカーだろうが、「体を動かす(ビジネスを前に進める)」という根本は同じであり、そこに個人の「地力(基礎的な体力やOSの処理能力)」が表れるものです。
ところが、大企業という世間一般的には「優秀」と言われる人たちで、この「地力」がついていない状況は少なくありません。
新卒で大企業という【職務が極端に細分化された環境】に身を置くと、この「地力」が全く育たないという深刻なバグが発生します。
大企業という巨大システム(分業制)の中では、マウンドも、キャッチャーも、スタジアムもすべて会社というインフラが用意してくれます。
個人はただ「ボールを投げるための筋力」だけを鍛え、剛速球を投げる(特定の専門業務をこなす)という単一のモジュールとして機能すればよかったのです。
しかし、この「剛速球(専門スキル)」を自分の実力だと勘違いしたまま、サッカー(全く別の業界やスタートアップ)に転職するとどうなるか。
ボールの投げ方しか知らないため、走ることも、蹴ることもできず、ピッチで完全にフリーズします。
では、元の野球(同業他社やベンチャー企業)に戻れば活躍できるのか? 答えは否です。
巨大なインフラがない環境では、「投げる」だけでなく、バットも振り、守備にも走り回る「草野球(全方位の処理)」が求められます。
剛速球しか投げられない人間は、バットの握り方もフライの捕り方も分からないため、結局そこでもエラーを連発します。
大企業の高度な分業制は、個人の「汎用的なOS(地力)」の育成を巨大システム側が肩代わりしてしまうため、個人から【ビジネスの基礎体力(ゼロから考えて動く力)】を完全に奪い去ってしまうのです。
もしあなたのチームに、大企業出身の優秀な(はずの)人材が入ってきて、「言われた仕事(剛速球)はすごいクオリティで出すのに、それ以外のちょっとした雑務や、前例のないタスクをお願いすると完全に思考停止する」という事象が起きているなら、それは彼らの性格の問題ではなく、巨大システムに依存しきった「偏ったAPI(特定機能)」しか実装されていないからです。
では、どうすればいいのか?
では、この「剛速球しか投げられない秀才」をチームに迎えた際、あるいは自分自身の失われた「地力」を再開発する際、アーキテクト(PM)はどのようなマネジメント(OSの初期化)を行えばよいのでしょうか?
解決策(How)はnoteで公開中
ここから先の具体的な解決策・コマンドは、noteの記事「アーキテクトの過去問」として公開しています。
このテーマを深めるおすすめの本
『人を動かす』(D・カーネギー)
正しさだけでは人は動かない。相手が受け取れる球の投げ方を学べる古典。
※本記事は、noteで公開した「「こいつ本当に〇〇出身かよ」 ”剛速球”しか投げられない秀才のシステムバグ」の無料部分をブログ向けに再構成したものです。


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