「それは手段でしょ。目的は?」――。この記事では、ビジネスの現場で起きるこの現象の裏にある「OSのバグ」を、アーキテクトの視点で解剖します。
よく見かける光景
ビジネスの世界で、必ずと言っていいほど直面する問題があります。 「手段の目的化」です。
本来、設定された目的を達成するために手段を選んだはずなのに、いつの間にか「その手段を完璧に実行すること」自体が主目的になり、本来の納期や成果を見失ってしまう現象。
例えば
目的:「テストで点を取る」
手段:「参考書を読む」
だったはずが、いつの間にか「参考書を完璧に理解すること」が目的になってしまい、アウトプットの練習がおろそかになって点が取れない、といった事象です。
マネージャーやPMは、これを実行者(部下や外注)の「視野の狭さ」や「能力不足(バグ)」だと責めがちです。しかし、システムアーキテクチャの観点から見ると、これは実行者のバグではなく、設計者(指示出し側)の「要件定義の甘さ」が引き起こした必然的なエラーです。
なぜ起きるのか ― バグの構造
なぜ、手段の目的化は起きるのか?
それは、「そもそも、手段とは目的化する性質を持つもの」だからです。
目的と手段は、絶対的なものではなく「入れ子(フラクタル)構造」になっています。上位概念の手段は、下位概念から見ると「目的」になります。
- 【目的】 昇給したい
- 【手段】 業務を効率化する
↓(階層を下る)
- 【目的】 業務を効率化する
- 【手段】 休憩時間(アクティブレスト)を有効に使う
↓(階層を下る)
- 【目的】 アクティブレストをする
- 【手段】 ランニングをする
このように、システム上の変数を明確に定義しないまま、抽象的な手段(業務を効率化しろ)だけを部下に渡すとどうなるか。
優秀で真面目な実行者であればあるほど、その抽象的な手段を「自分にとっての絶対的な目的」として再定義し、さらに下の階層(ランニングシューズの選定など)へと無限にブレイクダウン(暴走)を始めてしまいます。
つまり、「手段は目的化してはいけない」という定義自体が間違っています。 目的と手段が明確に定義され、それ以上の分解を許さない「底(底辺)」が設定されていない限り、手段は無限に目的化していくのがシステムの正常な仕様なのです。
では、どうすればいいのか?
では、この「入れ子構造の無限ループ」を断ち切り、実行者に意図通りのアウトプットを出させるためには、PMとしてどのような指示を出せばいいのでしょうか?
その鍵を握るのが「ロジックツリーです」
ここからは、コンサルティングの世界で使われる「ロジックツリー」の真の活用法と、「絶対に手段が目的化しない、実行者へのタスクの渡し方(テンプレート)」を具体的に解説します。
解決策(How)はnoteで公開中
ここから先の具体的な解決策・コマンドは、noteの記事「アーキテクトの過去問」として公開しています。
このテーマを深めるおすすめの本
『イシューからはじめよ』(安宅和人)
「そもそも何に答えるべきか」を見極める、目的思考の原点となる一冊。
※本記事は、noteで公開した「「それは手段でしょ。目的は?」」の無料部分をブログ向けに再構成したものです。

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