「友だちにお金は貸すな。お金も友だちも、両方なくすぞ」
昔からよく言われる言葉です。お金の貸し借りがきっかけで、仲のよかった友だちや親せきと気まずくなった、という話は珍しくありません。
この言葉は、半分正しいです。「返してもらう前提」で貸すと、多くの場合うまくいきません。でも、本当に困っている大切な人を、どんな場合でも突き放すのが正解とも限りません。大事なのは、貸すか貸さないかより、どんな気持ちで、いくら出すかです。
「貸す」がうまくいかない理由
- 返す・返さないで、関係が変わる。貸した側は「いつ返ってくるか」が気になり、借りた側は顔を合わせるのが気まずくなります。
- 催促しにくい。友だち相手だと、返済の約束が守られなくても強く言えません。
- くり返しやすい。一度貸すと、「この人なら貸してくれる」と思われ、次の相談につながることがあります。
貸すなら「あげてもいい額」だけ
それでも助けたいと思う相手なら、考え方を変えます。「返ってこなくても、関係を続けられる額」だけを出すのです。
| 返してもらう前提 | あげてもいい額だけ | |
|---|---|---|
| 金額 | 相手が必要な額 | 自分が失っても困らない額 |
| 気持ち | 返ってくるまで気になる | 返ってきたら、うれしいおまけ |
| 関係 | こじれやすい | 守りやすい |
相手が必要な額より少なくてもかまいません。「全部は出せないけれど、これだけは力になりたい」と伝えれば、気持ちは伝わります。
上手な断り方
貸せないときは、相手を否定せず、自分のルールとして伝えるのがコツです。
- 「お金の貸し借りはしないと、家族で決めているんだ」
- 「お金は出せないけれど、ほかにできることがあれば手伝うよ」
本当に生活に困っている様子なら、自治体の相談窓口など、公的な支援を一緒に探すことも、立派な助け方です。
落とし穴:絶対に避けたいこと
- 自分が借金をして貸す。カードローンなどで借りたお金を貸すと、自分が利息を払うことになります。
- 保証人になる。保証人は、相手が返せなくなったとき、代わりに返す責任を負います。「名前を書くだけ」ではありません。
- 「必ずもうかる話」のためのお金。投資やビジネスの話で頼まれたら、内容をよく確かめて、慎重に判断してください。
結論:お金を貸すのではなく、関係を守る額を出す
「友だちにお金は貸すな」という教えは、お金と関係を守るための、正しい知恵です。ただ、大切な人が本当に困っているときに、何もしないことだけが答えではありません。
貸すのではなく、あげてもいい額だけを出す。出せないときは、自分のルールとして断る。そうすれば、お金も友だちも、どちらも失わずに済みます。
今日からできること
- 今、人に貸しているお金があれば書き出し、「返ってこなくても困らないか」を考える
- 「お金の貸し借りについての自分のルール」を一文で決めておく
- 家族とも、そのルールを共有しておく
お金の「OS」を、書き換えよう。

