「会議で決まったよね?」決定事項が誰のタスクにもならないバグ

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② 担当のバグ

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『会議で決まったよね?』――。この記事では、ビジネスの現場で起きるこの現象の裏にある「OSのバグ」を、アーキテクトの視点で解剖します。

よくある場面

週末の家のことです。

「今日、掃除機かけないとね」
「そうだね」

どちらがやるかは、決めていませんでした。どちらかがかければいい。お互いにそう思っていました。

洗濯をして、買い物に行って、子どもの相手をして。気づけば夕方です。

「あれ、掃除機は?」
「かけてないよ。そっちがかけると思ってた」

結局その日は、掃除機をかける時間がなくなってしまいました。誰もサボっていません。二人とも一日中動いていました。それでも「どちらかがやればいい」タスクだけが、きれいに抜け落ちたのです。

職場でも、同じことが起きています。定例会議の終わり。

「この件は、来週までに確認しておきましょう」

全員がうなずいて、会議は解散しました。翌週の定例。

「先週の確認、どうなりました?」
「……」

誰も確認していませんでした。議事録を見返すと、そこには「〇〇を確認する」とだけ書かれています。誰が、いつまでに、が書かれていません。

「会議で決まったよね?」と言いたくなります。しかし決まったのは「やること」だけで、「誰がやるか」は決まっていなかったのです。

なぜ起きるのか ― バグの構造

合意はしたのに、割り当てていない。このバグの正体は、宛先のないメッセージです。

システムでいえば、全員に向けて一斉送信(ブロードキャスト)したものの、「誰が処理するか」を指定していない状態です。受け取った全員が「これは自分宛てではない」と判断し、メッセージを捨ててしまいます。人が多い場ほど、誰も動かなくなる。社会心理学で「傍観者効果」と呼ばれる現象とよく似ています。

掃除機も同じでした。「どちらかがかければいい」は、二人に向けたブロードキャストです。宛先が「どちらか」である限り、処理する人はいません。

もう一つの問題は、会議のゴールが「合意」で止まっていることです。データベースでいえば、変更内容に全員が同意したのに、確定(コミット)の処理をしないまま接続を切ってしまった状態です。合意はしているので、全員が「決まった」と思っています。しかし、どこにも書き込まれていません。

なぜ、誰も名乗り出ないのか

PMにも作業者にも、黙る理由があります。

PMは、場の空気を気にして名指しを避けます。「〇〇さん、お願いします」と指名すると、押し付けているように見えるからです。

作業者は、手を挙げると仕事が増えるので黙ります。「自分がやります」と言った瞬間、それは自分のタスクになるからです。

どちらも、その場では合理的な判断です。しかし、合理的な沈黙が噛み合った結果、決定事項は誰のタスクにもならずに蒸発します。

では、決めたことを確実に「誰かのタスク」にするには、どうすればいいのでしょうか?

まず試せる一手:決定は「主語・動詞・期限」の3点セットで記録する

議事録に「〇〇を確認する」とだけ書くと、それは宛先のないメッセージとして全員に配られ、結局だれも動きません。決定事項は、主語・動詞・期限がそろった形でしか残さないと決めます。

  • × 〇〇の数字を確認する
  • ○ Aさんが、金曜までに、〇〇の数字を確認してチャットで共有する

主語が決まらない項目は、決定ではなく「保留」と書きます。決まっていないことを、決まったように見せない。これが、会議の決定事項が蒸発するのを防ぐ第一歩です。

ここまでが、最初の一手です。この一手を習慣にして、同じバグを繰り返さない仕組みにするための残りの手順は、noteで公開しています。

残りの解決策(How)はnoteで公開中

ここから先の具体的な解決策・コマンドは、noteの記事で公開しています。

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あわせて読みたい:「そっちのボールじゃないの?」仕事のPK戦から逃げる大人たち。タスクの空中浮遊を防ぐポインタ割り当て

※本記事は、noteで公開した「「会議で決まったよね?」決定事項が誰のタスクにもならないバグ」の無料部分をブログ向けに再構成したものです。

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