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「そっちのボールじゃないの?」――。この記事では、ビジネスの現場で起きるこの現象の裏にある「OSのバグ」を、アーキテクトの視点で解剖します。
よくある場面
「え? あれ、まだやっていないの?」
「あれって、そっちのボール(担当)じゃなかったっけ?」
子供関係の申請書類の締め切り前夜。悲痛な叫びがリビングに響き渡ります。
直後に発生するのは、不毛な「言った・言わない」の水掛け論です。システム全体から見れば「書類が提出されているか否か」という事実(課題解決)だけが重要なのに、いつの間にか「これは誰の責任か」という責任のなすりつけ合いに処理がすり替わってしまいます。
ビジネスの現場でも、これと全く同じバグが頻発します。
会議の終わりに「これ、早めに対応した方がいいですね」「今後はみんなで気をつけましょう」と全員が深く頷いたはずなのに、1週間後には誰一人手を動かしておらず、タスクが完全に虚空に消え去っている現象です。
なぜ起きるのか ― バグの構造
この原因は、実行者たちの「当事者意識の低さ」と「引責からの逃避」にあります。要するに、「私の問題ではないから、責任を取りたくない」のです。
サッカーを例に考えてみましょう。
延長戦の末、試合がPK戦にもつれ込んだとします。本来、PKを蹴るというのは名誉なことであり、プロであれば自らキッカーに立候補するはずです。
しかし、ここで彼らの脳内には恐ろしい損益計算が働きます。
「試合がドロー(未達)で終わっている今の状態は、チーム全員の責任だ。しかし、自分がPKを蹴って外せば、それは『自分個人の責任』になってしまう」
途端に彼らは尻込みし、他人にボールを譲り始めます。
これは「プロではない」我々アマチュアが、極限状態で無意識に行ってしまう責任回避のシステムです。会議で「みんなで気をつけましょう」という主語が好まれるのも、「チームの責任(ドロー)のままにしておけば、自分がPKを外して責められるリスクを回避できる」からです。
要するに、当事者意識の低さとは、実のところ彼らが「自分をプロだと思っていない(アマチュアOSで動いている)」という事実に帰結します。誰もが自分の人生や、自分の仕事のプロであるはずなのに、ボールが落ちてくると途端に「観客(アマチュア)」の席に逃げ込んでしまう。おかしな話ですよね。
では、この「PKを蹴りたがらないアマチュアたち」に対して、アーキテクト(PM)はどのようにタスクの所有権を割り当て、システムを駆動させればよいのでしょうか?
まず試せる一手:「みんなで」を主語にせず、その場で担当者を決める
会議の最後に出る「みんなで気をつけましょう」「早めにやっておきましょう」は、だれの手にも渡っていないボールです。プログラムでいえば、持ち主のわからない変数がメモリを漂っている状態です。
「『みんなで』ではなく、だれがやるかを今決めます。この件の担当はAさん、期限は金曜日です」
宙に浮いたボールを、名指しで一人の手に置く。これがタスクを実体のあるものにする、いちばん確実な方法です。
ここまでが、最初の一手です。この一手を習慣にして、同じバグを繰り返さない仕組みにするための残りの手順は、noteで公開しています。
残りの解決策(How)はnoteで公開中
ここから先の具体的な解決策・コマンドは、noteの記事「アーキテクトの過去問」として公開しています。
このテーマを深めるおすすめの本
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※本記事は、noteで公開した「「そっちのボールじゃないの?」仕事のPK戦から逃げる大人たち。タスクの空中浮遊を防ぐポインタ割り当て」の無料部分をブログ向けに再構成したものです。


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