「前向きに検討します」で、話が消えるバグ。保留には、期限を付ける

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① 言語化のバグ

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『前向きに検討します』――。この記事では、ビジネスの現場で起きるこの現象の裏にある「OSのバグ」を、アーキテクトの視点で解剖します。

よくある場面

家族で夏の旅行の計画を立てていたとき、行き先が、遠くに住む学生時代の友人の町のすぐそばだと気づきました。「近くに行くって連絡してもいい?」とパートナーに聞くと、「まだ日程が確定じゃないから、言わないでおいて」。もっともな話です。ところが宿を決め、休みを取り……気づけば旅行の当日。「確定したら」のタイミングは一度も来ず、友人には連絡できないまま、すぐそばの町を通り過ぎました。

職場でも同じことが起きています。部下が業務改善の提案を出すと、上司はにこやかにこう言います。

「いいね。前向きに検討しておくよ」

1か月たっても何も起きません。通ったのか、ダメだったのか。もう一度聞くのは気まずい。そして部下は、次の提案を出さなくなります。上司にも悪気はなく、角を立てたくなくて保留にしただけ。保留にしたことは、本人も忘れています。

  • 「考えておきます」
  • 「タイミングを見て」
  • 「上と話してみます」
  • 「確定したら連絡します」

なぜ起きるのか ― バグの構造

システムには「受け付けました」とだけ返して、結果はあとで知らせる仕組みがあります。その「あとで」がいつか決まっていないと、問い合わせた側は永遠に待ち続けます。結果が来ないのか、まだ処理中なのか、見分けがつかないからです。「前向きに検討します」も「確定したら言うね」も、この受付だけの返事です。

返事に本来いるのは「やる」「やらない」「保留(○日までに決める)」のどれかです。「検討します」にはどれも入っていないので、聞いた側は都合のいいデフォルト値で補います。部下は「たぶん通る」と期待し、上司は「たぶん察してくれた」と思う。

旅行の話も同じです。「確定したら連絡する」は一見ToDoですが、いつ、誰が、確定したかを確かめるのかが決まっていません。ToDoの形をしているのに、ToDoになっていないのです。

  • 先に言って、予定が変わった場合:「ごめん、日程がずれた」と1回謝れば済む
  • 言わずに、期限が過ぎた場合:会えるはずだった機会そのものがなくなる

情報を出すのが遅れるほど、失うものは大きくなる。

確定前の情報を出して、あとで変わったら申し訳ない。その気持ちはよくわかります。でも保留は、置いておくだけで少しずつ損が増えていく選択です。あなたが最近言った「検討します」のうち、本当に検討しているものは、いくつありますか。

まず試せる一手:保留にしたら、その場で「確認する日」を決める

「確定したら」を「○日に確認する」に置き換えます。確定するかどうかは自分ではコントロールできませんが、確認する日はいま決められます。現実的なのは1週間後。カレンダーに「確認」と入れた瞬間、「確定したら」はようやく本物のToDoになります。

「じゃあ、1週間後に一度確認しよう」

  • ×「日程が確定したら、連絡しよう」(誰も確定に気づかない)
  • ○「来週の日曜に一度確認しよう。決まっていなくても、友人には『○月ごろ行くかも』とだけ伝えておこう」

商談で「前向きに検討します」と言われたときも同じです。その場で1週間後の打ち合わせを押さえ、進んでいなければそこで見切りをつける。待つ期間を決めておくだけで、話が静かに消えることはなくなります。

ここまでが、最初の一手です。この一手を習慣にして、同じバグを繰り返さない仕組みにするための残りの手順は、noteで公開しています。

残りの解決策(How)はnoteで公開中

ここから先の具体的な解決策・コマンドは、noteの記事で公開しています。

この記事は、全記事入りのマガジン「アーキテクト思考の教科書」(1,980円)と、柱ごとのマガジン「① 言語化のバグ編」(980円)にも収録しています。

このテーマを深めるおすすめの本

『エッセンシャル思考』(グレッグ・マキューン)
本当に大事なことを選び、それ以外には上手に「ノー」と言うための一冊。あいまいな「検討します」をやめて、はっきり返事をする勇気をくれる。
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あわせて読みたい:「一旦それで」/「どこまで進んだ?」

※本記事は、noteで公開した「「前向きに検討します」で、話が消えるバグ。保留には、期限を付ける」の無料部分をブログ向けに再構成したものです。

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