修道女

ノーベル平和賞を受賞し、世界中に愛の大切さを説いたマザー・テレサ。ある時彼女は、8人の子供を一人で育てている母親の家に米を配給しに行きました。母親と子供は皆飢えて痩せ細っており、配給を泣いて喜びました。しかし、その母親はもらった米の半分を持って外に出て行ってしまったのです。テレサが疑問に思って尋ねると、彼女はこう言いました。「隣の家にも飢えた人がいるのです。」

自分が飢えているときにも、他人を気遣った彼女の行動にテレサは感動し、改めて人間のもつ愛の深さを教えられたと言います。

人間は、一人で愛を作ることはできません。人と人の間に、愛は生まれます。

マザー・テレサは本名をアグネス・ゴンジャ・ボヤジュといい、現在ではカトリック教会の聖人として認定されている修道女です。
生まれはオスマントルコで、現在の北マケドニアになります。
彼女が礼賛される理由は、カトリック教会の修道女でありながら、宗教を問わず相手の宗教を尊重し、一人の人間として手厚く看護したところにあります。
他方、批判も多く、例えば、彼女がインドで活動していることから「優秀な白人が有色人種を助ける」という構図を広く示したと批判されています。また、「死を待つ人の家」という彼女が作ったホスピスの医療水準の低さがやり玉に挙がることもあるようです。

個人的には同感で、やはり医療行為や医師や看護師が行うべきで修道士や宣教師の仕事ではないと思います。
一方、当時は帝国主義が蔓延っている世界であり、その中で宗教を問わず広く人々のために献身せんとするその志は純粋に評価されるべきだとも思っています。