(1)審査請求の提起
審査請求は、行政庁が職権で開始することはなく、審査請求人の申し立てによって開始されます。
審査請求は、通常、後記の事項を記載した審査請求書という書面を審査庁に提出して行います。
他の法律で、口頭で審査請求できる旨の定めがあるときは、口頭での審査請求も可能です。
この場合には、審査請求人は処分庁に審査請求書を提出し、その提出を受けた処分庁は直ちに審査請求書を審査庁となるべき行政庁に送付しなければなりません。
審査請求期間の計算については、処分庁に審査請求書を提出した時に、処分についての審査請求があったものとみなされます。
(2)審査請求書の記載事項
審査請求書に何を記載すべきかについては、次の通り、処分に対する審査請求の場合と不作為に対する審査請求の場合を区別して規定されています。
(3)審査請求書の補正
審査請求書が提出されると、その書面に上記の必要的事項が記載されているかどうかが審理されます。
その一つでも記載が欠けていると、審査請求は不適法と言うことになりますが、この場合、審査庁は、補正が可能であるときは、相当の期間を定めてその補正を命じなければなりません。
つまり、補正が可能であるのに補正を命ずることなく申し立てを却下することは違法ということになります。
この点、行政手続法では、申請が形式上の要件を欠いているときは、行政庁には補正を命じるか申請を拒否するかの選択が認められていますが、この扱いとは異なりますから、注意してください。
審査請求人が命じられた期間内に不備を補正しない場合や審査請求が不適法であって補正不能が明らかである場合には、審査庁は、審理手続を経ることなく裁決で審査請求を却下することができます。