(1)公法と私法
公法と私法とを区別する指標として主体説、権力説、利益説という考え方があります。
・主体説
主体説とは
当事者の一方または双方が国または公共団体である場合を規律する法を公法
私人相互の関係を規律する法を私法
とするものです。
・権力説
権力説とは
当事者の一方に優越的な地位を与える権力関係に関する法を公法
対等な当事者間の関係に関する法を私法
と捉えます。
・利益説
利益説は
公益を規律するための法を公法
私益を規律するための法を私法
とする考え方です。

(2)行政上の法律関係に適用される法律
①公法私法二元論
二元論は公法と私法との区別に関しては権力説を基調とします。そのうえで、行政上の法律関係を権力関係と非権力関係に区別し、権力関係については公法が適用されます。
非権力関係はさらに管理関係と私経済関係に区別され、私経済関係には私法が適用されます。
ちなみに、管理関係については原則として私法の適用を認めつつ、公益を実現するために公法が適用される場合があると解しています。
②公法私法一元論
公法私法一元論は現在主流の考え方になっているものです。なぜなら公法と私法を区別する合理的な理由がないからです。
公法私法一元論とは一言で言うと、
「具体的な行政活動の事案ごとに私法の適用を柔軟に認めていこう!」
という内容になります。